ボロン的日記
3月へ戻る 2005年4月

29日(金)
先月の電池駆動式フォノEQアンプの製作に続き、
今月もやはり電池駆動式の「MCカートリッジ用ヘッドアンプ」を作ってみました。
電池駆動式ゆえのメリット、電源ノイズの影響を最小限に出来る点、
そして、何といっても製作における手軽さと「低コスト」が大きな魅力・・・
かつての「ラジオの製作」誌的な、お気軽な電子工作です。
と言っても、本格的に気合いの入った製作となれば、
それなりの準備とコストが掛かる内容になってしまうのは当然の事です。
無線と実験誌などをみても、
こうした電池式簡易型のヘッドアンプ製作記事はほとんど存在せず、
むしろ、読者投稿コーナー等にユニークな回路例が掲載されていたりします。
増幅率が小さい為、低雑音TrとFETの組み合わせ、
さらに、FET一石だけでなんとかなる製作例もありますが、
MCヘッドアンプ特有の問題点、「サー」というノイズの量と質を考慮、
かつ、当部屋の半導体在庫状況と相談の上、
ぺるけさんのサイト、「情熱の真空管」から、
Tr二石を用いた回路例を参考に、
とりあえずCR部品類も手持ちのジャンク品を寄せ集めて、
万能基板にそっくりそのまま作ってみました。

部品類が万全とは言えない状態ですが、
S/Nも非常に良好、音も痩せずなかなかイケる!
ただ・・、このままでは、外来ノイズ、
特に蛍光灯等のスイッチON/OFF時のパルスノイズに相当敏感で、
ツィータにダメージを与えそうな強烈な「パチパチッ!」
・・という大きなノイズを拾ってしまいます。
ま、この剥き出しの基板では仕方があるまい、
なにしろこのアンプからフォノEQの出力端子までのトータルで、
1,000倍近い利得があるワケですから・・・。
前回のフォノEQアンプ同様、タカチ製の小型アルミ製ケースを利用して、
回路の静電シールドに万全を期す事にします。
というワケで、この穴あき基板版回路による試聴の結果を踏まえ、
新品の部品を揃えて、本格的な製作に取り掛かる事にしました。
半導体以外は秋葉原の電子部品店のネット通販を利用しました。

地方在住者にとって、とても便利な存在のネット通販ですが、
単価の安い抵抗やコンデンサ類等は、
同一数値のものを
最低10本単位で購入せねばならず、
ちとムダが多いような・・。
・・ならば!、というワケで、他の部品も含め、
二台分が組める数の部品を発注しまして、
もう一台を、お世話になっているある方へと進呈する事と致しました。
これだけ簡単な回路ですと、作る手間は一台でも二台でも、大差ありません。
当然ながら、先月の電池式フォノイコライザよりも
更にコンパクトに仕上げる予定で、ケースのサイズも当然小さくしますが、
現物が届いてみてビックリ、うむむ、コレではちと小さすぎたかも・・・?
入出力ジャック、切り替えスイッチに占有されるスペースを除外した残り、
つまり、いわゆる「基板の居場所」が、ごくわずかなものとなってしまいます。
そして、基板からの入出力リード線の処理をどうするか・・・。
基板部品面上に、ハトメラグ打つ余地はないし・・
更に、基板を固定するためのネジ穴を用意するのも厳しいぞ・・。
・・・うーむ・・・、これは「奥の手」を使うしかあるまいか・・・!
本来、片面プリント基板の製作に於いては、
部品面とパターン面の双方を利用して設計します。
部品面から銅箔面に貫通穴をあけ、
トランジスタやCR部品のリード線を、
部品面から通し、パターン面とハンダ付けして結線完了、
という、いつもの手法です。
今回は、省スペース化の為、パターン面に部品を直付けしていきます。
貫通穴も開けませんから、
いわゆる従来で言う部品面は
単なる絶縁体扱いとなり、
この面をアルミシャーシに直接接着してしまいます。
今回はホットボンドで基板の端を軽く軟固定するのみです。
これで、基板固定ネジを排除出来ました。
入出力や電源のリード線も、パターン面に添わせてハンダ付けしました。
これでハトメラグも排除でき、基板面をフルに使うことが出来ます。
これを踏まえて、出来たパターンがコレ。

これを基に基板を作成し、

同時に、ケースの加工も進めます。

電源スイッチとしてアルプスのロータリースイッチを採用、
OFFの時には、MMカートリッジを用いるためのバイパスモードになっています。

現物を合わせてみると・・うーむ、ちょっとシャフトが長すぎますねー。
このままだと、ツマミがパネル面から浮いて格好悪い・・ので、
これは後で金ノコで適当な長さに切り詰めます。

パターンを描いた基板をシャーシ上に載せてみると・・、

うーむ、やっぱりギリギリですね。
入出力ジャックの下がもう少し活用出来そうな気もしますが、無理は禁物・・。
基板のエッチングが済み、穴あけなしでいきなり部品を載せてハンダ付けです。
部品のリード線先端は、事前にこのようにL字形に曲げておきます。
銅箔面との接触面をなるべく大きくするためです。

この手法の場合、基板の中心部から順番に部品を載せていかなければなりません。
当然ながら、載せる位置に誤りがあった場合、
後から修正するのはほぼ不可能です。最初から全部やり直しになります。
緊張するなー・・・。
で、全数載せ終えると・・

うおーっ、いわゆるモヤシ配線ですなー・・。
これはあまり褒められたものじゃないです。
ともかく、入出力や電源等のリード線も結線して・・。

基板をシャーシに収めて最終動作チェック。

この状態で上ぶたも仮装着、試聴してみました。
音はもちろんしっかり出ています。S/Nも予想通り良好です。
こんな簡単な回路がこれだけの音質を誇るとは・・。
もちろんこれは優れた原設計ゆえでしょう。動作電流の選び方が絶妙です。
しかし、ケースに収めた状態でも、
外来ノイズには対してはかなり高感度で、
当初は、プレーヤー出力コードに問題があるのかと、
いろいろ換えてみたりしましたが、全く変化なし・・・。
引き回しをいじっているウチに、
あれれ、なんとNHKの第一放送を受信したりする場合も・・!
ややっ、これはアースラインに不備が?
・・といろいろ探りもしましたが、結局シロ・・。
最終的には、初段石ベースとGND間に1000pFのコンデンサをパラって、事なきを得ました。
これは、入力回路の470Ωと共にに、積分回路を構成しています。
当初は470pF程度で試しましたが、これではパチッというノイズを取りきれず、
この回路の場合、最低1000pF程度は必要と思われます。
もちろん可聴帯域の特性に影響はありません。
2000pF超えるとチトまずいですが・・・。
以上の手直しが済んだ所で、
上ぶたの穴から通した、006Pスナップのリード線をハンダ付けして完成!

動作表示と入出力ジャックの表示はPCでシールを作って貼り付けました。
これで、一応実用に供せる状態となりました。

11倍という増幅率は、やはりDL-103とベストマッチです。
以前、カンチレバー修理していただいて蘇ったDL-103「ボロンカンチレバー仕様」
との組み合わせに於いて、
同社AU-320トランスの必要性がほぼ無くなりつつあります。